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夏野菜を鮮やかに調理 ナスは素揚げ、色素の流出防ぐ|NIKKEI STYLE - Nikkei.com

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ナスの南蛮漬けも下ごしらえひとつで色鮮やかにできあがる=大岡 敦撮影

旬を迎えた夏野菜はおいしく、そして見栄えよく調理したい。例えばナスは表面を油で覆うと、色素の流出が抑えられ、つややかに仕上がる。色鮮やかにできる理由を考えてみよう。

夏は多くの色とりどりの野菜が出回る。紫色のナス以外にも、緑色のピーマン、赤色のトマト、黄色のトウモロコシなど、その色彩で視覚からも食欲を刺激する。

ところがこうした野菜の色は調理の過程でくすんだり、煮汁に溶け出して薄くなったりするケースがある。彩り豊かに見栄えよく仕上げるにはどうしたらいいのだろうか。

野菜の色はその野菜に含まれる色素で決まる。色素は種類によって性質が違うため、それに合わせた調理の工夫が必要になる。

緑色の野菜に多い緑色色素クロロフィルは長時間の加熱や酸に弱く、褐色に変わりやすい。調理時は加熱時間を短くし、ドレッシングなど酸性の食材や調味料は食べる直前に加えるとよい。

一方、トマトやパプリカなど赤や黄の野菜を彩るカロテノイドは比較的安定していて変色しにくい。弁当や作り置きに向く食材だ。

例えば酢豚にはピーマンをよく使うが、酸性のあんがかかって時間がたつと、緑色がくすんだ褐色に変化してしまう。代わりに赤や黄色のパプリカを使うと見栄えがよい。

ナスの皮の紫色はアントシアニンという色素による。ミョウガや紫キャベツ、ブドウなどに多く含まれる。水に溶けやすいため、ナスを煮るときは要注意。断面から煮汁へと色素が溶け出してしまうからだ。皮の色が抜けて白っぽくなったり、味噌汁などの汁が黒く濁ったりする。見た目が気になる人もいるだろう。

色素が溶け出すのを防ぐには素揚げ、油通しといった下ごしらえが大切になる。ナスの煮浸しや南蛮漬けでは切ったナスを160~180度の油で揚げてから、煮汁や漬け汁に加える。表面が油で覆われ、色素が汁に溶け出しにくくなるのだ。あらかじめ火を通しておくことで、煮汁に浸して調理するのにかかる時間を短縮する効果もある。

素揚げは片付けが面倒で、カロリーが気になる人もいるだろう。そういうときはフライパンに底を覆うくらい多めの油を入れ、炒め揚げにする。大きめに切った場合は皮が下になるようにナスを入れ、皮全体に油が回るようにして揚げ焼きにする。それからひっくり返して断面を焼く。

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June 26, 2022 at 01:00AM
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