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食事の満足度、特においしさに対する評価には食品の味や見た目だけでなく、食感も大きく影響する。本来、食感は口の中に食品を入れて咀嚼(そしゃく)したり飲み込んだりして感じるもので、歯ごたえや舌触り、のどごしなどがある。そうした食感をデジタル技術で再現する取り組みが進んでいる。例えばパナソニックは、咀嚼時の音や振動に着目し、外部からそれらの刺激を加えて食感を再現することを目指す(図1)。
同社のデザイン本部FUTURE LIFE FACTORYは将来を見据えた先行開発に取り組んでおり、その中で食感を再現するデバイスの開発を手掛けている。デバイスで装着者が咀嚼する動作を検知し、その動きに合わせて音と振動を発生させるものだ。例えば揚げたての唐揚げを食べたときの「パリパリ」や「カリカリ」といった音を再現し、唐揚げを食べていないのにまるで食べているような食感を装着者に与えることを目指している。
FUTURE LIFE FACTORYの小川慧氏が同デバイスの開発に着手したのは、入院中の祖母とのやりとりがきっかけだ。祖母は闘病するうちに食事を飲み込めない状態になってしまったが、好物のおすしを食べたがった。医師と相談した上ですしを咀嚼だけしてもらったところ、喜んでくれたのが印象に残っているという。こうした経験などから、「食事の満足感を得るには見た目や食感が大きく影響すると考えた」と同氏は振り返る。
開発中のデバイスには筋電センサーとスピーカー、モーターが組み込まれており、小型コンピューターと接続している(図2)。利用者は、筋電センサーが顎(あご)の咀嚼に関わる筋肉付近に触れ、スピーカーが耳の位置となるようにデバイスを顔に近づけて使用する。センサーが咀嚼時の筋肉の動きを検知すると、それに合わせてデバイスから咀嚼音が流れる。咀嚼音は揚げたての唐揚げを食べているときの音をあらかじめ録音した。食べ始めと中盤、食べ終わりの3段階の音が順番に聞こえる。
咀嚼音だけでなく、デバイスに内蔵したモーターで振動も生じさせる。これにより、顎の骨に刺激を与えて歯ごたえのような感覚を再現しているという。現在はプロトタイプで改良を進めている段階。「利用者に本物と近い食感を感じてもらうには外部から音や振動を加えるだけでなく、直接的な歯ごたえの再現も重要になると考えている」と小川氏は話す。
July 13, 2022 at 11:00PM
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音や電気刺激で「バーチャル食感」、唐揚げのパリパリ感やグミの歯ごたえも - ITpro
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