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『東京唐揚げ専門店 あげたて』がわずか1年で100店超!急成長の秘密は既存店のキッチンを活用したバーチャルレストラン(Globridge) - フーズチャネル

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消費者の外食自粛が続く中、この状況を新たなビジネスチャンスととらえ、売上を積み上げている注目の企業がある。既存店舗のキッチンを利用したオンラインデリバリー店『東京唐揚げ専門店 あげたて』を運営するGlobridge(グロブリッジ)だ。

UberEatsを活用した新ビジネスで、累計出店数は123店舗を達成(2020年10月21日現在)。ニューノーマル時代の飲食店の「勝ち方」を、社長の大塚誠氏に聞いた。

イートインのキッチンを活用し、オンラインデリバリー専門店を運営

【Q】コロナ禍で一般的に飲食店の経営が厳しいと言われている中で、『東京唐揚げ専門店 あげたて』は急成長をされていますね。

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株式会社Globridge
代表取締役 大塚誠氏

もともと当社は、日本以外にオーストラリアでも3店舗の飲食店を運営していました。2015年からは、現地でデリバリー事業をスタートしました。マーケティングに力を入れ、イートインで月商400万円、デリバリーではそれを超える月商500~600万円を達成した実績があります。

オーストラリアで培った手法をアレンジし、2020年4月、日本でオンラインデリバリーの加盟店開発を始めました。現在は全ブランドの契約ベースでリアル店舗が700、オンライン店舗ですと1300店舗になります。

「ゴーストレストラン」もしくは「バーチャルレストラン」といって、1つのリアル店舗のキッチンで、複数のオンラインデリバリー専門店を展開する形です。

【Q】いま、「ゴーストレストラン」という業態に注目が集まっていますが どの様に運営されていますか

一般的な「ゴーストレストラン」は、まずデリバリー専用のキッチンを作り、それを複数のオンラインブランドでシェアして利益を出す仕組みです。しかし実は、このやり方は初期投資が大きく、コストパフォーマンスが悪いのです。展開速度も遅くなります。

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一方で、当社が実践している既にあるお店のキッチンを活用する方法では、1つの店舗でいくつかのオンラインデリバリー専門店(バーチャルレストラン)を開業しています。設備投資は実質ゼロで、イートイン店舗のアイドルタイムも活用できます。

新たな人件費負担もないため、デリバリー業態にも新規参入が簡単で、既存店の売上が減った分もカバーできるようになります。

デリバリーの取り組みが全く新しいニーズを掘り起こした

【Q】コロナ禍でイートインの売上が落ちる一方、テイクアウトやデリバリーは伸びています。

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多くの方は、「コロナ禍でイートインの売上が落ちているが、その分デリバリーとテイクアウトが増えた」と思っています。でもこれは間違いす。

もともとイートインとデリバリー、テイクアウトは、それぞれ客層が違います。新たにデリバリーを利用する人が増えたという側面のほうが大きいのです。

これまで発見されていなかった巨大なマーケットが出現し、外食市場は5兆円以上も上乗せされる可能性があるでしょう。特に今、急速に伸びているUberEatsは、従来の出前を利用していた層以外にも急拡大しています。都心では現在、約13%の人が利用していますが、今後5倍に増えるとみています。

UberEatsを使う人たちがどういう行動をしているかというと、たとえば小腹が空いた時に、自宅から飲食店は遠いので選択肢になく、わざわざお店へ出向かなければならないテイクアウトも選択肢にない。

それで、今までなら近くのコンビニにでも行っていたところ、自宅にいながらデリバリー注文するのです。つまりこれまでと違う新しい食体験といえます。

【Q】宅配サービスで獲得したのはむしろ、コンビニやスーパーの惣菜などの中食需要ということでしょうか。

そうともいえます。あるいは冷凍食品など、加工食品を買う層のニーズも取り込んでいるかもしれません。だからこそ大きな可能性があるのです。

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たとえば当社の『東京唐揚げ専門店 あげたて』が支持されているのは、家で作るのが面倒な唐揚げを、注文してすぐに食べられるからです。当社は最速10分でお届けしているので、顧客満足度も非常に高い。

これまでイートインだけを提供していた飲食店側は、「Uberの手数料は高いので、お客様の負担になってしまう」と思っているかもしれませんが、お客様はそもそも、イートインの飲食店とUberEatsは別物だと考えています。適切な値付け(プライシング)ができれば、需要は取り込めます。

デリバリー運営に必要な、新時代のマーケティングとは

【Q】オンラインデリバリー専門店のマーケティングでは、何が重要でしょうか。

たとえば当社ではエンジニアを雇い、UberEatsのアプリ上でどのような画像を使えば注文が増えるのか検証しています。画像によってお客様の足止め率が違うので、ロボットが24時間でいろいろな写真を入れ替えて、最もアピール力の高い画像を選ぶんですね。

他にも重視しているのは、「DS(ドライバーの満足度)」です。あげたての唐揚げを約10分のスピードで提供するためには、近くのドライバーにすぐ商品を取りに来てもらう必要があります。ドライバーは店を自由に選べますから、「この店舗の商品は配達するメリットがある」と思ってもらわなければなりません。

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そもそもからあげは「こぼれていた」などのクレームが出づらいドライバーの嗜好に合った商品といえますし、スピーディーに提供すれば顧客からドライバーへの評価も上がりますから、選ばれやすくなり提供スピードもさらに上がります。

また、デリバリーはイートインよりも顧客との距離が遠く、料理を出したその場でCS(顧客満足度)を確かめることができませんから、宅配の袋にアンケートを入れ、QRコードで回答していただいています。

デリバリーだからこそ、遠い距離にいるお客様のCSを重視すべきという考えです。配達という「入口」、そしてお客様が食べたあとの満足度という「出口」の両方を意識したマーケティングを行っているのです。

食材の仕入れはIT化で一括管理

【Q】バーチャルレストランを抱えるキッチンで、工夫していることはありますか?

当社では、唐揚げ専門店以外にも多くのバーチャルレストランを展開しています。モデルケースとしては、イートインを提供する1店舗のキッチンで、バーチャルレストランを13店舗運営するというものです。バーチャルレストランでは、基本的にはそのお店で使っている食材を使います。

たとえば、海鮮居酒屋なら海鮮丼や寿司などのデリバリー、焼き鳥系の居酒屋なら、焼き鳥や鶏丼などを提供してもらう。リアル店舗で使っている食材を、ムダなく活用できる仕組みです。

こうした運営をする上で、受発注システム(※)は大前提ですね。なければ回りません。むしろバーチャルレストランは、そうしたオンライン上のプラットフォームがあるからこそできる業態だと思いますね。

※BtoBプラットフォーム受発注:オンラインから発注できるクラウド型の発注サービス

時代に合ったマーケティングで、外食市場はまだまだ伸びる

【Q】今後の市場全体の展望を教えて下さい。

今、デリバリー市場は急速に拡大しています。バーチャルレストランとUberEatsが、外食以外のコンビニや惣菜のニーズまで取り込めるとしたら、外食産業の市場規模は5兆円以上広がるかもしれません。このチャンスを逃さず、勝ちに行くべきです。

今はまだ、デリバリーに参入すれば割と簡単に利益が出ますが、市場が成熟した暁には、先ほど述べたようなDS(ドライバーの満足度)やUberEatsのアプリ上で顧客の足止め率を上げるマーケティングなど、オンラインデリバリーならではの対策をしっかり行ったところが勝つでしょう。

アフターコロナの時代に合ったマーケティングを行えば、外食産業はまだまだ成長できる。私はそこに大きな可能性を感じているのです。



<イベントのお知らせ>
2020年11月10日(火)開催、オンラインカンファレンス『FOODIT CROSS』では、Globridge大塚社長をはじめ、外食産業におけるDX推進リーダーの方々をゲストにお呼びして、飲食業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の現状や各種データの有効活用事例を、現場の生の声を交えてお話しいただきます。是非この機会にご参加ください!


全店舗の発注量・価格を把握するクラウド型受発注システム

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October 21, 2020 at 04:25PM
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