「お客さんの笑顔をまた見ることができ、本当に幸せ」。昨年7月の熊本豪雨で被災し、荒尾市で半世紀以上営んできた唐揚げ店の閉店を余儀なくされた松嶋一博さん(57)が9日、同じ場所で再開させた。人気店の復活を待ちわびた地元住民らが早速訪れ、半年ぶりの味に舌鼓を打った。
松嶋さんの店は同市下井手の関川沿いにあり、豪雨による氾濫で1・2メートルほど浸水。鶏肉を揚げるフライヤーや肉を切るスライサーが壊れ、「味の決め手だった」(松嶋さん)油も水に漬かった。近くの自宅も床上浸水し、「日々を暮らすことで精いっぱい」と閉店を決めた。
ところが閉店後、顧客から300件以上の惜しむ声が届いたという。運送のアルバイトをしながら、徐々に生活が落ち着いてきた昨秋、松嶋さんの気持ちは再開に向けて動きだした。「炭鉱マンや地域住民ら多くの人に長年親しんでもらっていた。その人たちの思いに応えたくなった」
国の補助金も活用して約300万円をかけて、店内を改装。冷蔵庫やフライヤーをそろえ、道路沿いにあった入り口は来店者が危なくないように駐車場側に変えた。再開に当たり心機一転、店舗名も「松嶋精肉店」から「松ちゃんのからあげ」に変更。店頭に大きな看板を掲げた。
ショウガを効かせたしょうゆだれに漬けた唐揚げは、手羽先、モモ肉など計7種類を販売。子どものころから訪れているという同市の田中敬子さん(49)は「揚げたての皮がサクサクでジューシー。ここでしか味わえなかった唐揚げで、再開して本当にうれしい」と笑みを浮かべた。
今年で開店55年目。松嶋さんは、再び川が氾濫する怖さはあると打ち明けつつも「育った場所だし、ここから見える風景が大好き。多くの人が支えてくれるから、どうにか一歩、前に踏み出すことができた」と笑顔を見せた。(樋口琢郎)
January 10, 2021 at 10:00AM
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多くの支え「一歩前に」、荒尾の名物唐揚げ復活 熊本豪雨で店舗・自宅浸水 - 熊本日日新聞
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