三菱電機と安川電機が食品工場の自動化を促進するロボットを相次いで開発した。動作プログラムの作成を簡素化したり、衛生面の課題を解消したりすることで食材の盛り付け工程などに利用できる。少子高齢化に伴い、食品工場でも自動化のニーズが高まっており、ロボットの導入が広がれば、人手不足の解消にもつながりそうだ。
曖昧な指示もAIで理解
三菱電機は、音声によって作業を指示するだけでロボットの動作プログラムを自動で設定できる「ティーチングレスロボットシステム」を開発した。音声による作業指示の実現は業界で初めてとなる。
例えば、作業員が「弁当箱の第1区画に唐揚げを3個詰めて」と呼びかけるだけで、ロボットの動作プログラムが自動で作成される。「もう少し右」といった曖昧な指示でも人工知能(AI)が意図を理解して内容を推定する。独自の音声認識AIを採用しており、騒音が多い工場内でも指示を聞き取れるという。
作業指示はタブレット端末によって動作項目を選択することでも行える。いずれもプログラミングに関する専門知識は必要ない。
多くの製造現場でロボットの導入が進んでいるが、食品工場では食材の盛り付けや仕分け作業などの工程でロボットの導入が遅れている。扱う食材の種類が多いことが理由の一つになっており、同社先端技術総合研究所の関真規人氏は「調整や品種の切り替えに時間がかかり、人が作業をする方が早かった」と説明する。
このシステムを活用すれば、プログラム作成や周辺機器との調整を自動で行え、作業時間は10分の1以下に短縮できるという。令和5年以降の実用化を目指しており、食品工場だけでなく、スーパーやコンビニエンスストア、物流分野などへの展開も視野に入れている。
食材に直接触れてもOK
一方、安川電機は食材に直接触れることができるロボットを開発した。塗料が飛散するリスクがあるため、加工や盛り付け作業にロボットの導入は進んでいなかったが、特殊な表面処理と食品機械用の潤滑剤を使用することでこうした作業を可能にした。
塗料による表面処理を行わず、耐食性を向上させたメッキを採用することで、塗装片の混入リスクをなくした。水、アルコールのほか、酸性やアルカリ性の洗浄液の清掃にも対応。ロボット軸の可動部などに塗布・充填(じゆうてん)される潤滑剤も食品機械用を採用した。
三菱電機も同様に食材に触れる部分にコーティングを施し、塗装片の混入リスクをなくしたロボットを市場投入している。
国内では少子高齢化で人手不足が深刻化。食品工場でも、盛り付け工程などで自動化のニーズが高まっている。プログラム作成や衛生面の課題がロボット導入のハードルとなっていたが、こうした課題を解消した新型ロボットの登場で、導入が進む可能性がある。(黄金崎元)
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March 10, 2022 at 06:31AM
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