思い込め凧揚げ北寺島町「北組」大城さん女性で初参加：中日新聞しずおかWeb - 中日新聞

age.prelol.com

凧揚げに挑戦する大城七瀬さん＝浜松市南区の凧揚げ会場で

　中区北寺島町「北組」の凧揚げでは初めての女性として、同区の主婦大城七瀬（おおしろななせ）さん（３９）が参加した。岐阜県各務原市出身の大城さんは、まつりへの参加も初めて。「みんなの思いがつまった凧がこんなに揚がるなんて、感動した」と喜んだ。　（柳昂介）

　ハーフマラソンに出場した経験もあって体力に自信はあったが、いざ凧を操ろうとすると、体が空中に飛ばされそうになる。全身に力を込め、必死に踏ん張った。「肩も痛かったし、手袋をしても手が痛かった」

　大城さんは三年前に夫の仕事の都合で浜松市に引っ越してきた。「周りの人柄がすごく良い」と浜松を気に入っている。四月から子ども会の会長を務めるが、昨秋にまつり会合へ出席した際には「次の会長になるのに、まつりのことを知らないな」と感じた。

　まつりを体験したいと、凧揚げ会に「やってみたいです」と相談。周囲は女性の参加に驚いたが、快く受け入れてくれた。「凧揚げは男性がやるという風習すら分かっていなかった」。他県出身だからこそ、慣習に縛られなかった。

　二月ごろから凧揚げ会に参加。初めて凧を見たときには「本当にこんな大きいものが揚がるのか」と驚いた。町の人々からは「ひもをしっかり脇で締めること。手袋は絶対に必要」とアドバイスをもらった。

　会に加わったことで、町内の人と顔見知りになることもできた。法被の着方を教えてもらい、足袋も一緒に買いに行った。「いろんなことを教えてくれ、助かっている」と感謝する。「凧が好きな人たちの情熱がすてき。つながりが希薄な現代だからこそ大切」

　初参加の今年は、あまり凧に触れることはできなかった。実際にまつりを見て、より意欲が湧いてきた。「凧のことを知って、来年はもっと凧揚げに参加できるようにしたい」

Search