【大森由紀子のスイーツの世界】揚げ菓子「ベニエ」はバカンスの味 - 産経ニュース

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大森由紀子のスイーツの世界

2022/9/7 09:00

フランスの揚げ菓子「メルヴェイユ」

９月になるとパリっ子たちがバカンスから戻ってきて、パリの街は急に活気づきます。彼らが自慢するのは日焼け。海辺で何をするわけでもなく、ただ太陽を浴びます。そんな砂浜での楽しみは、揚げ菓子（ベニエ）を食べること。南仏のビーチでは、揚げ菓子売りが歌いながら売り歩いています。

揚げ菓子は中世にアラブ人によってフランスに伝えられました。当初は、お花を揚げて食べていたそうです。その伝統は今でも残っており、フランスの地方に滞在した際、滞在先のマダムが近くで見つけたお花を揚げていたのを思い出します。揚げ菓子は、パリでは見かけずフランス南西部で多く作られます。写真の揚げ菓子は、メルヴェイユといい、ベーキングパウダーでふっくらさせたもの。その他イースト入りのものもあります。

また揚げ菓子は、キリスト教でかつて肉食を断つ「四旬節」の前の行事だったカーニバル期間に食べられてきたものです。今でも２、３月にフランスに行くと、かつてカーニバルで食べられていたクレープ、ワッフル、揚げ菓子などがパティスリーで売られていることがあります。

この３種類のお菓子の共通点は、オーブンを使わずにできるということ。屋外でたき火を囲み、皆で作って食べるには最適なお菓子だったといえましょう。

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September 07, 2022 at 07:00AM
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