原材料価格や物流費の高騰で食品が値上がりしている中、東京23区に「今年度、給食費を値上げするか」聞いたところ、5つの区が「値上げする」と答えました。
食品の値上がりが続く中で、学校給食の現場では何が起きているのか、今年度の値上げを決めた葛飾区を取材しました。
東京23区などの自治体の対応詳細はこちら
食材値上げ次々と…
東京・葛飾区の小学校です。3月23日、この日のメニューは、卒業や進級を祝う赤飯。
ただ、子どもたちが大好きな鶏のから揚げは1つです。
おいしかったです!
唐揚げ、もっと食べたかったです。あと、10個くらい食べられます。
栄養教諭の佐藤寿子さんは、給食の質を維持するのは、日々大変だといいます。
業者から次々と、食材の値上げの通知を受けているのです。油は、昨年度だけで3回も値上がりしました。
佐藤寿子 栄養教諭
「目に見えて上がっているのは油です。小麦も上がっています。(献立)作ってみて、あれ?こんなに赤字になってしまう。鶏肉も、子どもたちは『1個じゃ足りない!』って言います。お金に余裕があったら、もう1段階上げてあげたいところですが、ちょっと厳しい状況にあります」
限られた給食費 現場の工夫
限られた給食費の中でなんとか“やりくり”するためには、現場の工夫が欠かせません。
油は、少しでも長く使えるよう、汚れや匂いのつきにくいメニューから揚げています。
赤飯も、もち米は高いため、安い、うるち米を混ぜて作ります。
肉を買うときにも、豚肉で作るべきところを少しでも安い鶏肉に替えたり、肉の部位や切り方を変更したりして、出費を抑えることもあると言います。
給食の現場ではこうした工夫を続けてきましたが、このままでは給食の質を維持するのは難しいとして葛飾区は、今年度、小・中学校の給食費を、1か月あたりおよそ300円、区が補助する形で値上げしました。
しかし、相次ぐ食材の値上げで、厳しい状況は続くと言います。
佐藤寿子 栄養教諭
「また値上がりの嵐がやってくると、(収支は)とんとんくらいか、もしくはマイナスになってしまうかなと。最後まで赤字が出ないかは手探り状態です。
家庭で、だしの違いを感じる食事を食べたり、ひな祭りや端午の節句などの行事に合わせた伝統的な食事を食べたりしていない子どもたちもいるので、給食でそういった経験もさせてあげたいと思っている。
給食は栄養をとるだけのものではなく、学校の教材のひとつでもあるということも知っていただき、ぜひ家に帰ってきた子どもたちに『きょうの給食、どうだった?』と聞いてみてほしい」
給食費値上げ 各区の対応は
葛飾区では値上がり分を自治体が負担するということでしたが、今年度、値上げするほかの自治体では、新宿区と葛飾区は、「自治体が負担する」としています。
墨田区と杉並区は、「保護者に負担してもらう」。中央区は「自治体と保護者が半々」となっています。
保護者が負担する額は、小学校高学年の1か月あたりで、昨年度と比べて、40円から135円増えています。
また取材した自治体からは、値上げの中で、子どもたちの栄養バランスを保ちながら費用も抑えなければいけないと、対応に苦慮しているという声が聞かれました。
町田市
「望ましいとされる栄養基準を満たせない月があった。鉄を効率よく摂取できる赤身の肉や魚は価格が高く、毎日取り入れられない」
板橋区
「事業者からは今後、パンとめんが値上がりすることを伝えられている。今後は生めんより安い乾めんの使用回数を増やすことを検討」
足立区
「より安く購入できる旬の野菜や魚の使用、または果物を減らすことを検討する」
取材した学校では、子どもたちからいちごのリクエストがあったそうですが、価格が高いので別の果物への変更を検討しているということでした。
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April 06, 2022 at 04:34PM
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