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牡蠣天ぷらうどん 釜揚げ屋(山田町)/ - 読売新聞

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 運ばれてきた途端、優しいだしの香りに包まれる。のどごしの良いうどんに、歯ごたえのある分厚いワカメ。外はサクサク、中はふんわりとした大ぶりのカキの天ぷらが三つ。「釜揚げ屋」の「牡蠣天ぷらうどん」は、10~6月の期間限定メニューだ。

 同店のうどんは、打ちたて、ゆでたて、揚げたての「3たて」がモットーだ。約7割が町外からの客で、評判が評判を呼び、いつ訪れても混雑している。

 食材はとことん、地産地消にこだわる。麺は県産小麦を3種類ブレンドし、つゆは宮古市重茂産の昆布と、山田町の煮干しがベースとなっている。ワカメも同町産、器は久慈市の小久慈焼という徹底ぶり。同町大沢産のカキは、大ぶりで雑味がない。

 同店は1985年、川村芳宏さん(59)が、陸中山田駅の近くで開業した。川村さんは東京で土木系の仕事をしながら、夜学で調理師免許を取得。たまたま訪れた山梨県の富士山麓で、ご当地うどん「吉田のうどん」に出会い、衝撃を受けた。「地元の特産を生かしたうどん屋を、古里で開きたい」。東京都小平市のうどん店に弟子入りし、腕を磨いた。

 2011年の東日本大震災では、店が全壊。12年から1年半ほど、仮設店舗で営業した。震災後の苦しい時期も、絶えず足を運んでくれたお客さんに支えられた。

 そして14年9月、元の店舗から1キロほど北の、三陸沿岸道路の近くに、店舗を再建した。弟の上林幸正さん(57)も震災前、洋菓子店を経営しており、一緒に震災を乗り越えようと、うどん店と洋菓子店が軒を連ねる。

 昨年、やる気を見込んで、息子の将崇さん(29)に事業承継したが、今も調理場に立ち続ける。「楽しみにしてくれる人がいるからには、それに応える義務がある」。うどんへの情熱が、冷めることはない。

 うどんとカキが大好物の記者が、盛岡から足しげく通う名店。早いときには午後1時半に麺がなくなるので、早めに行くのがおすすめだ。

 カキの天ぷらは間もなく終わるが、夏には海藻とサラダにトマトジュレを添えた「冷サラダ磯うどん」、12~4月には宮城県石巻市産の「生のりうどん」も楽しめ、飽きがこない。天むすとお吸い物付きの「焼きうどんセット」も、根強い人気がある。

 たかがうどんと思わず、ぜひ足を運んでほしい。後悔はしないはずだ。

 

「牡蠣天ぷらうどん」は税込み730円。メカブとマツモがトッピングされた「牡蠣天ぷら磯うどん」は同950円。それぞれ6月末まで提供している。

 店舗は、三陸沿岸道路(三陸道)山田インターチェンジのすぐそば、三陸鉄道陸中山田駅からまちなか循環バスで約5分、柳沢下車。営業は午前11時~午後3時だが、麺・つゆがなくなり次第閉店。月曜定休。問い合わせは(0193・82・2173)へ。

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May 28, 2021 at 03:00AM
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