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から揚げはジューシーでやわらかなら旨いのか? - 日経ビジネスオンライン

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 みんな大好きの代表選手と言えば、本連載で取り上げた中では、「ハンバーグ」や「ナポリタン」などがそうだろう。今回の「から揚げ」もまた、嫌いな人はあまりいないだろう。世のから揚げ好きに好みを聞いたら「かむと肉汁があふれる、ジューシーでやわらかな肉」「香ばしくてカリッと心地いい食感の衣」なんて言うはずだ。

 以前、そんな風情のレシピを作ったことがある。『大人の肉ドリル』で提案した、鶏のから揚げだ。肉はどこまでもやわらかくジューシーで、衣はカリッと香ばしい。その方向において一定の目的は達せられたし、実際に作ってくださった方から「私史上最高のから揚げができました」「うちの子供のフェイバリットから揚げになりました」という声も寄せていただいた。

 そのレシピの要諦は、加熱時の肉の熱変性をどうコントロールするかにある。肉は加熱すると、①筋繊維が収縮して、②肉内部から水分が絞り出される。加熱の加減で肉が硬く感じられるのは、この2点が主な理由だ。翻って言えば、その対策ができれば世の中の多くの人に受け入れられる、から揚げが実現できる。今回は、『大人の肉ドリル』に掲載したレシピをさらに進化させたレシピをご紹介したい。

均一かつやさしい火入れが正しいのか

 というわけで、『大人の肉ドリル』のから揚げレシピでは、①「絞り出される水分が最小限で済むよう、内部は60度台の加熱に留める」、②「肉汁が絞り出されたとしても、ジューシーさが残るよう加水する」、③「ついでに肉をやわらかくしつつ、内部から水分が逃げないような調味を行う」という3点を重視したレシピを提案した。

 ①への対策は3度揚げ(2回+仕上げ)で肉汁のロスを最小限に抑え、②については下ごしらえ中に、鶏肉重量の20%の水分をもみ込む(通常のから揚げは加熱中に肉から30~35%程度水分が失われる)。③は塩、砂糖など保水力の高い調味料を使い、肉をやわらかくするタンパク質分解酵素プロテアーゼが含まれるしょうがを使った調味液に漬け込む。という3方向からのアプローチでご好評をいただいた。

 僕自身にとっても「から揚げの正解」は完全にその一択だった。

 ところが最近、疑念が湧いてきた。確かにあのレシピはよくできていると褒めていただけるし、「うちの定番になりました」という声も聞く。だが、本当にから揚げのおいしさは一択なのだろうか。加水され、余熱中心で加熱された均一に近いやわらかさのみが正解なのだろうか。

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August 02, 2022 at 03:00AM
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