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すかいらーくグループ各店における「から揚げ」の価格差を検証したら、全てにおいてぶっちぎってる奴がいた - ロケットニュース24

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すかいらーくグループ。


大手ファミリーレストラン「ガスト」を擁する、言わずと知れた日本の外食チェーン企業である。ガスト以外にもジョナサンにバーミヤンなどなど、多くの有名ファミレスを展開しているが、そのうち複数の業態において「から揚げ」が提供されている。

藪から棒に何故から揚げが出てきたのかとお思いかもしれないが……最近筆者は気づいてしまったのである。


同じすかいらーくグループにも関わらず、それぞれのから揚げに微妙な価格差があることに。


そればかりではない。いつの頃からかガストは「から好し」なる から揚げ専門店を抱え込み、ちょっと高級なお値段の唐揚げメニューの数々を扱っている。



確かに から揚げは飲食店の定番・大人気メニューであるとともに、偏食家やお子様のための逃げ道としても大きな役割を果たしている。多くの店舗においてから揚げが提供されていること自体には何の異論もない。とはいえ、この価格差はなんなのか?

所詮は全て同じすかいらーくグループ。実は全部同じヤツなのではないか? 百歩譲って「から好し」は他と違うのかもしれないが、それにしたって価格に見合う差はあるのか……?



そんなひねくれた猜疑心で夜しか眠れなくなってきたため、自らの舌で確かめてみることにした。

・検証開始


まずは すかいらーくグループのから揚げをざっくり紹介しておこう。


ガスト:若鶏の唐揚げ(5個)350円(1個あたり70円)

から好し:ももから揚げ(3個) 480円(1個あたり160円)

バーミヤン:からあげ(4個)329円(1個あたり約82円)

夢庵:おつまみ唐揚げ(4個)329円(1個あたり約82円)

藍屋:若鶏の唐揚げ(4個)429円(1個あたり約107円)


1個あたりの換算だとガストが最安値。夢庵とバーミヤンが同率で、やはり から好しだけが頭一つも二つもぶっちぎって高い、という感じか。今回はこの5種類を食べ比べて検証を進めることに。


実はHPを参照すると他にもから揚げを提供しているチェーンはあったのだが、店舗数の関係から今回は除外させていただいた。


なお、今回はあくまで「から揚げ」の商品名かつ単品で提供されているものに統一し、「フライドチキン」や「竜田揚げ」、及び定食やセットに付く一品などは除外してある。そこまで含めるとキリがなくなっちゃいそうだからね。



・バーミヤン


というわけで、いざ検証スタート。まず最初に訪れたのはバーミヤンである。


バーミヤン:からあげ(4個)329円(1個あたり約82円)



まあ、見た目は普通のから揚げである。サイズは不揃いで、大きくて直径3.5センチ、小さくてその半分くらいかな。特に成型とかはせずに、カットした鶏肉をそのまま揚げてるんだろうな、という見た目である。では、いただきます。



思ったより美味しい。


筆者が想像した「ファミレスのから揚げ」のレベルを確実に超えてきた。


下味は醤油だろうか? バーミヤンだからといって特に中華風味のクセとかもなく、キリっとした醤油の味と鶏肉の旨味で何もつけずとも美味しい。万人受けするタイプのから揚げである。



一見するとそこまで肉厚ではないように見えたのだが、小さいサイズのものでも しっかりとした肉感とジューシーさを感じられる。


そうそう、今回検証した店舗のうちでは唯一、下に野菜が敷いてあった。とはいえ味も何もついていない少量の千切りキャベツとレタスである、これをお得ととるか不要ととるかは人それぞれだろう。おいしゅうございました。



・ガスト


続いてはガスト。すかいらーくグループの顔ともいえるブランドであるだけに、味が一層気になるところである。


公式HPのメニューでは300〜400円と価格に幅を持たせてあったが、筆者が訪れた店舗では中央値の350円だった。店舗の立地による違いなのかしら。



店員さんが運んできてくれたのがこちら。


ガスト:若鶏の唐揚げ(5コ)350円(1個あたり70円)



あらいいじゃないの。


遠い昔に注文した「ガストのから揚げ」の記憶よりも はるかに ちゃんとしている。バーミヤンと同じくらいの大きさで、大二つ、中くらい二つ、小一つという感じ。では、いただきます。



これだわ。


これが筆者の想像する「ファミレスのから揚げ」である。


多分下味は醤油系なのだろうが、バーミヤンのようなキレよりも鶏肉の脂の風味が先に立っている。良く言えば素材の味と言えるかもしれないが、とにかく鶏の脂が印象に残る。レモンがついているのがありがたい。



一方で、表面がかなり硬めなのが少しだけ気になった。これこそ個体差の範囲内のような気もするが、大サイズのものでも口の中を攻撃してくるようなガリガリ感だったので、ジューシーさや肉厚さではちょっとだけバーミヤンに劣るのかもしれない。



から好し:ももから揚げ3個 480円


どんどんいこう。同じくガストにて提供されている、「から好し」のから揚げがこちら。



器からしてすでに面構えが違うが、本体の貫禄もなかなかのものである。


直径こそノーマルガストの大サイズと同程度であるものの、どの個体も安定してかなりの厚みがある。形もなんとなく均一に整っているような……いやいや、見た目には騙されんぞ。大切なのは味。いざ尋常に、いただきます。


あっつ!


え……?


うっま……!!!!



一口目はあまりにアッツアツで親指の先程度の量しか口に入れられなかった……が、その量でも一瞬で香り立つ旨み


下味は何だろうか? 当然というか、今まで食べてきたものとは明らかに違う系統の味だ。醤油っぽい味はあまり感じられず、胡椒の風味が強めな気がする。

中華風というか、ちょっと鶏がらスープのような味もする……というかそれが鶏の旨味なのか。あまりに美味しくてちょっと混乱している。


見た目どおり どこを食べてもある程度安定して肉厚、柔らかい。表面はカリカリとかサクサクというよりパリッと心地よい歯触り……だが、その一瞬のクリスピーさが素早く引いて、鶏肉の柔らかさを引き立てている



お分かりだろうか、目視できる量の肉汁が溜まっている。


一口かじるごとに肉汁が溢れ出してくる……鶏の味は濃いのに塩辛いとか脂がくどいとかは一切ない、これは純粋な旨味だ。



サイズ比較のために残しておいたノーマル1個と食べ比べてみたが、これはもう別の料理というか別のジャンルである。ノーマルは おやつで から好しは作品である。


認めるのがなんとなく悔しいが、ここまで美味しい唐揚げを食べたの初めてかもしれない。 3個しかないのが惜しいが、同時に3個でもしっかり満足させてれるボリュームと、このクオリティ

レモンも野菜も付いていないが、むしろそれが正しい。これは単体で向き合うべき から揚げだ。1個160円の価値は半端なものではなかった。



・夢庵


まだ から好しの衝撃から立ち直りきっていないまま、夢庵へ。


入り口で靴を脱ぐ座敷スタイルに ちょっと気圧されつつ、タッチパネルで注文。このあたりの雰囲気代も価格に関わってくるのかなぁ……。


運ばれてきたのがこちら。


夢庵:おつまみ唐揚げ(4個)329円(1個あたり約82円)



なんかちょっと洒落た器に乗ってきた。


大きさはノーマルガストの大レベルが二つ、中が一つ、小が一つという感じ。同じ個数のバーミヤンよりも総量は少し多いかな、という印象だ。いただきます。



なるほど。


なんというか、ハイブリッドである。食感はバーミヤン寄りの、外カリッと中ジューシータイプ。ガストのように口中を攻撃してくる硬さはなく、表面はしっかりしていながら中身はちゃんと柔らかい。


一方、味はガスト寄り。醤油の香ばしさと鶏の脂の味が融合している。ガストほど脂の主張は強くないが、終盤になるとやっぱりちょっとクドく感じてくるかもしれない。やはり最後の方は添えられたレモンが活躍してくれた。



なんとなく、今まで食べ比べた3店舗のうちで1番「みんなが想像する醤油から揚げ」の味であるような気がする。こんな から揚げ、どこかで食べたことある。


筆者個人的には、同じ金額を出すならバーミヤンのほうが アブラ感が少なくて好みかもしれないなぁ。逆に、鶏の脂を感じたいんじゃァア!! という人にはガストや夢庵のほうが刺さるだろう。



・藍屋


最後は藍屋である。1個あたりの価格が から好しを除くと最高値である藍屋、その差に見合う味の違いはあるのか。運ばれてきたのが、こちら。


藍屋:若鶏の唐揚げ(4個)429円(1個あたり約107円)



見た目や大きさは他店舗とそう変わらず。ただしサイズのばらつきは少なく、ノーマルガストの中サイズが4つといったところか。それでは、いただきます。



あったかい。


揚げたてなんだろうな、というのがよく分かる熱々っぷりである。


そういえば、一口目で「熱さ」が印象に残ったのって から好しを除けば藍屋だけかも。揚げ物において「揚げたて」というのは重要ポイントだ、ありがたい。


食感も硬すぎず、外カリッで中は柔らかしっとり。ガストや夢庵のような脂っこい感じはなく、かといってバーミヤンのように下味がキツめに主張してくるわけでもない。

至極真っ当に鶏肉の味を引き出して揚げました……といったような、どことなく「優等生のから揚げ」といった趣だ。



ただ、1個あたり20円超の価格差をつけるほどでもないかな……? というのが正直なところ。

他店舗との味の差は確かにあった、あったのだが、他店舗のから揚げに不満足というわけでもないし、目の前に並べて選べと言われたら安いほうを取っちゃうかもな……という感じである。でも美味しかった、ごちそうさまでした。

これにて すかいらーくグループ各店における「から揚げ」の食べ比べは終了。結論を述べると……



・ヤバいやつが一人いた



から好しが強すぎる。


この一言に尽きる。


他の4店舗に関しては、正直言って違いは微々たるものであった。細かい方向性の差はあれど、値段によるグレードの差というわけではなさそうだ。どれも「ファミレスのから揚げ」として十分に美味しい

筆者の舌は確かに味の違いを感じ取ったが、もしかしたらそれは個体差だったのかもしれないし、なんなら価格や雰囲気の先入観もあったかもしれない。全店舗のから揚げをミックスして一皿で出されたら当てられないだろうな、という、その程度の差である。


……が、から好し、お前は駄目だ



から好しだけは どうカモフラージュしようと絶対に分かる。戦っているステージが違う。

正直、から揚げという料理がここまで美味しくなれるとは思わなかった。そりゃあ専門店もできるわけである。1個160円という まあまあブッ飛んだ価格にも、ここまでブッ飛んだ美味しさなら納得がいく。


むしろ、「今日はファミレスで済ませるか。から揚げでいいかな」程度の心持ちでは頼まないほうがいいかもしれない。それくらい衝撃の美味しさであった。

というわけで皆さん、から好しのから揚げは覚悟を決めて食べてください! 以上!!

執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.

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April 09, 2024 at 07:00AM
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