大手居酒屋チェーンのワタミは「から揚げの天才」を２０１８年１１月から展開し、今年７月初めに１００店出店を達成。コロナ禍で経営難に陥った居酒屋経営者らの業態転換を見込み、新たに１店舗３８０万円の低投資で出店可能なプランを提示した。
唐揚げは持ち帰り中心で出店費用が相対的に少ないため、唐揚げ専門フランチャイズチェーン「鶏笑」や、「かつや」などを展開するアークランドサービスホールディングス（ＨＤ）の「からやま」と「からあげ縁（ゆかり）」、すかいらーくＨＤの「から好（よ）し」などがせめぎ合う。ワタミの渡辺美樹会長は唐揚げ市場を「レッドオーシャンだ」と認めた上で、「マーケットも大きいので、（出店費用）３８０万円店舗で勝ち抜く」と自信を示す。
居酒屋の鳥貴族ＨＤの子会社は８月、都内にチキンバーガー専門店「ＴＯＲＩＫＩ ＢＵＲＧＥＲ」を開店する。コロナ禍で焼き鳥などの売り上げが落ち込んでおり、新業態で対応を図る。
この他、牛肉ハンバーガー店「ブルーバーガー」を立ち上げたダイニングイノベーション創業者の西山知義氏は７月、都内にチキンバーガー専門店「ドゥーワップ」を開業した。「チキンバーガー専門店は米国で売り上げ１兆円を超えるチェーン店が複数存在」として、参入した。
フライドチキンも参入が相次ぐ。ロイヤルホストを展開するロイヤルＨＤは５月、ファストフード業態の専門店「ラッキーロッキーチキン」を開業した。ワタミも韓国ブランド「ｂｂ・Ｑオリーブチキン」を展開する。
唐揚げ、チキンバーガー、フライドチキンと、鶏肉料理同士が市場を食い合う恐れはないのか。ワタミの渡辺会長は「唐揚げとフライドチキンは単価が異なり、すみ分けは可能」と強気だ。血で血を争う市場競争は既に始まっている。
July 24, 2021 at 04:01AM
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鶏肉新業態、競争激化は必至 ワタミ、鳥貴族…唐揚げ・バーガーなど参入加速 - 日本農業新聞
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