野菜の揚げびたし 撮影:吉田篤史
「野菜をおいしく? それなら揚げるのがいちばん」と断言するのは、料理研究家の飛田和緒(ひだ・かずを)さん。本当に私たちでもできますか? ビギナーズ編集部から、揚げ物偏差値低めの生徒を派遣。飛田さんの一日揚げ物教室、開講です。
* * *
揚げ物用の鍋を持つ
飛田 皆さん「揚げ物はしたくない」って言うけど、食べるのは好きでしょ。揚げたてが絶対おいしいんだから、
家でつくらないなんてもったいないです。
― 「難しそう」とか「面倒くさい」とか、言い訳ばかり思い浮かんじゃって。
飛田 その両方を解消できるのが、揚げ物用の鍋。「フライパンに少ない油」で揚げるほうが難しいし片づけも大変なので、私はこれを愛用してます。
― 年季が入ってますねー。
飛田 小さめだから、少ない油でも深さが出ます。油温が安定して揚げやすいですよ。フライパンより外に油がはねにくいし。
― ふむふむ。
飛田 ふたがピッタリ閉まるので、油の一時保管にも便利です。揚げかすを網できれいに取ってからふたをして、翌朝お弁当のおかずを揚げたり、ここからすくって炒め物に使ったり。
― よいサイクルが生まれますね。
まずは素揚げから
飛田 とにかく、私のフライドポテトでおうちの揚げ物に魅了されてください!
― あれ? じゃがいもは電子レンジにかけちゃうんですね。
飛田 これで確実に中まで火は通るし、周りのモロモロしたところがカリカリになって……。はい、お一つどうぞ。
― 表面がポテトチップスみたいで、中はホクホクです~。
飛田 その次にうちでよくつくるのは、野菜の揚げびたし。ジャンジャン揚げて合わせ地に浸していきます。
― なすは水にさらさない?
飛田 切ってすぐ揚げますから。油がはねないように水けを拭くほうが大事。
― はねるのが怖いから、つい、油がぬるいうちに入れちゃって。
飛田 油っぽくなる原因ね。私は油を菜箸で均一に混ぜてから、野菜の端っこをちょっと浸して確かめます。すぐ「シュワシュワ」という反応があれば170℃。反応がなければもう少し待つ。「シュワシュワ」の勢いがよければ、なすの適温の180℃くらいです。
― 揚げ上がりの見極めは?
飛田 なすは断面が色づいたら。さやいんげんはシワシワになればOK。かぼちゃは竹串を刺してみます。
― 引き上げたら合わせ地に直行でいいんですか!
飛田 揚げびたしは、油の風味があったほうがおいしいでしょう?
― わあ、たくさんできました。
飛田 余ったら冷蔵庫で冷やしておきます。明日はそうめんに添えようかな。
― 明日もお邪魔します!
※続きはテキストでお楽しみください。天ぷらのコツも紹介しています!
※フライドポテト、野菜の揚げびたしの詳しいつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2021年5月号より
June 22, 2021 at 01:01PM
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